大きすぎる振り幅。
源氏物語のお話。
物語においては、
良しにつけ、悪しきにつけ、大活躍する女性です。
振り幅が大きくて、
他に類をみない存在感を放つ、
「六条の御息所」です。
前春宮の正妃。
・・・ということは、今の帝の正妻?と思いますが、
不幸なことに、前春宮は病弱で早逝してしまい、
六条の御息所は、若くして未亡人になります。
う・・・すでになにかが起こりそう。
知性と嗜み、美しさにひかれて、
彼女の館は、
多くの貴公子たちが集まるサロンと化します。
う・・・またまた、誰かが出てきそう。
そうです。若き源氏もまた、こちらへ訪れるようになり、
そして、ふたりは恋に落ちます。
まあ、いいでしょう、ここまでは・・・絵になる二人ということで。
ああ、しかし、しかし、
ここから、苦しい煩悩の世界にひきずりこまれ始める御息所。
源氏に惹かれるあまり、独占欲、嫉妬の感情に飲みこまれ、
プライドや品格を守りたいのに、守れない絶望感、
そして、源氏の正妻葵の上とのトラブル、敗北の屈辱感、
それらは、大きな怒りの固まりに変わり、
ライバルたちも、自身の生死のちがいをも燃やし尽くし続けます。
あの~、
世の中に、「腐れ縁」というものがあるとすれば、
この二人はまさにそんな感じがするんです。
お互いに、お互いがひどい目にあわされているのに、
なにか、けじめをつけられない。
若き日から、御息所が亡くなるまで、
いえ、実はその後も、
源氏は、御息所の娘、秋好中宮を好きになってみたり、
亡くなった御息所もまた・・・・。
私は、六条は好きでもないし、嫌いでもありません。
もう存在感がありすぎて、否定することなんてできません。
物語には絶対必要、役としては、とてもおもしろいと思います。
でも、ひとりの女性として見た時には、このうえなく気の毒で、
悲しくなってしまいます。
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